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グェルチーノ展 よみがえるバロックの画家
国立西洋美術館 3/3(火)~5/31(日) ◆なんてストレスフリーな! 「癒し」の空間とか陳腐な表現はしたくないが、久しぶりにとても気持ちの良い展覧会だった。人を掻き分けて「見るぞ!」という気負いはなく、イタリアの聖堂の中にいるような落ち着いた気持ち。会期2日目、かつ日本で知られない画家であるという点も大きいのか。いやしかし本当に来てよかった。点数は約40点。見たかった天井画『聖母被昇天』のみならず、大型の絵がほとんどなので真ん中のソファに座ってゆったりのんびり鑑賞させて頂いた。 ◆そしてT氏に超!お薦めされた音声ガイドを聴く。カラヴァッジョ研究者の木下規久朗氏が原稿執筆者で、ガイドライターの原稿のような不必要な美辞麗句がなくて、とてもわかりやすかった。 ◆本名はジョヴァンニ・フランチェスコ・バルビエーリ(1591~1669)。ありゃ全然違うじゃん!・・・グェルチーノはいわば愛称で「斜視(Guercio)のおちびちゃん」といったところらしい。ヨーロッパの対抗宗教改革の時代にカトリック復活の為に美しいマリア様を描いた。(日本では豊臣⇒徳川の時代。もうバテレンは追放されちゃってます。)欧州では評価も高く人気のある画家だったが、極東まで余り知られることもなかった模様。しかしあっぱれな西洋美術館はグェルチーノを一点所蔵していた! ★『聖母子と雀』 自然な母と子の姿が印象的。赤ちゃんが小鳥を見て驚く様子が、ちぢこまった足と母の衣類を握りしめる手の結びから伝わってくる。慈愛に満ちた母親も美しい。小鳥はゴシキヒワで、実は「キリスト受難の象徴」らしい。先日ボッティチェリ展で子供らしくないキリストを沢山見たあとなので、こっちの方が断然いい!と思ってしまった。赤ちゃんキリスト可愛い。 ★『放蕩息子の帰還』 放蕩の果てにボロボロで帰ってきた次男が「人間」の象徴で、すべてを赦して温かく迎え入れる父が「神」を表す例え話。納得いかない顔の家人はちょっとラトゥールのいかさま師に登場する人物に似ている。それより何より「犬!」。久々に戻ってきた飼い主になつくワンコが愛らしい。このワンコはアイテムとしてちょこちょこ登場するので、おそらく関係者皆さん犬好きでは?『狩人ディアナ』の絵にも甘えるワンコが登場する。 ★『聖母のもとに現れる復活したキリスト』 この絵にはステキな展示の仕掛けがある。こういう遊び心と気配りが好き。仰ぎ見る顔がグェルチーノのお得意のようで、どの姿もドラマチック。雀に怯える赤ちゃんキリストが、受難の末に復活して神の子の威厳を見せるビフォアアフターのストーリと見てみる。 今季の一番気持ちのいい西洋画でした。もっと多くの人に見て頂きたい。共感して頂きたいたい。
by manpukuganpuku
| 2015-05-22 06:00
| museum
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