カテゴリ
以前の記事
2018年 09月 2016年 04月 2016年 01月 2015年 09月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2014年 10月 2014年 07月 2014年 05月 2013年 11月 2013年 09月 2013年 02月 お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
1000年前、王朝時代の名門貴族の御曹司たちが残した私信(消し忘れたメールみたいなもの)から分かることは、今の私達と大して精神構造が違っていないということだった。 ◆昇進狙いのやる気満々な人から、あんまり面倒な仕事はしたくない(昇進より気楽な仕事を望む)人。サッカー(蹴鞠)の仲間外れにされないように苦心する人。カッコいい車(牛)を友人に貸してと頼む人。和歌の下手さ加減をネットにさらされる(公開される)と困るので代作を頼む人。女好きの友達(仕事の最中に美女に会ったとツブやく手紙をよこす友人)をたしなめる人。保身のために何かと言い訳する人。・・・こんな人達、今でも「いるいる!」と思える。1000年前の彼らが身近に感じられて微笑ましい。しかも「御曹司」が「光源氏♪」などの印象と違って全然かっこよくない。 ◆筆者いわく、私達の王朝時代観は紫式部の描いた創作『源氏物語』バイアスがかかっていると。つまり少女マンガのように美化・理想化されていると。それ以前に私の経験からすると、古典は文法や購読から習うがために、全く身近なものととして捉えられず、ストーリーを楽しむ域に達せず、苦手意識によって断絶した世界に押し込めてしまっている気がする。外国語を習うにも等しいくらい現代の言葉と違っているのに、外国語を習うような前向き感がない。(古典文法を勉強している人には悪いけど)しかもネックになっているのが「知ってて当然!あ~らこんなことも知らないの?」という上から目線の教養のようなものを要求されるので読み進めるのが辛くなる。やたらと*1*2といった注釈を読まないと進まないし・・・。平均的なティーンエージャーにそれを要求するのは、酷。むしろ古典嫌いを増殖させるのではないだろうか。 ◆まあ私も結局、古文問題で出題される部分の原文以外は、大和和紀マンガの『あさきゆめみし』で『源氏物語』を知った気になったクチだから偉そうなことはいえない。瀬戸内源氏も途中まででやめちゃったし。最近になって角川ソフィア文庫現代訳シリーズでたまたま『紫式部日記』を読む機会を持った。因みに紫式部も仕事(宮仕え)で何とか仲間外れにされないように、自分のキャラ設定に苦心しているし、年甲斐もなく派手なファッションの年増の女房をみんなでイジメる時に加担したりしてる。(やなヤツ)でもこれも自分がイジメられないための保身でこんなことをする人はよくある。その一方で老いていく自分にため息ついたり・・・なんだ、今の人とおんなじじゃんと思った。 ◆さて、この本は決して簡単で単純なハウツー本ではないので、御曹司の私信(男の人なので、仮名の手紙ではなく、和製漢文で書いてある)部分はそのまま漢文体で書いてあるけれど、正直そこは読み飛ばしてしまっても話は通じるし、読み下し文も面倒なら読まなくても話は通じる。漢文で(恐らく和紙に筆で)書いてあるがために何だか格調高いが、内容は・・・なに今のメールと変わらない。筆者が同世代だからだろうか、随分と地面まで降りてきて面白く語ってくれているので、わかりやすく読むことができた。
by manpukuganpuku
| 2013-02-18 06:37
| book
|
ファン申請 |
||