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◆ル・コルビュジエが晩年に設計した世界に3つの美術館の1つ国立西洋美術館。先日の西美ファンデー(無料観覧日)に知人の建築ガイドを聴きました。普段は上がれない屋上と中3階の照明室に入ることが出来、大満足です。今まで西洋美術館に行くこと数えきれないほどですが、(まあ普通は絵を見るために行くわけで)天井や中空に注目したのは初めてでした。不可解な、ある意味邪魔な階段が、実は幻の中3階ギャラリー兼照明室に続いていたこと、かつての館長室から展示室が見下ろせることがわかりました。元館長室は先日西洋美術館が新規寄託展示を始めたヨハネス・フェルメール『聖プラクセディス』を見守る位置にあります。 ◆コルビュジエは「無限成長美術館」として黄金比の巻貝状にどんどん増築(増殖)していくことを想定していました。なので常設展示の最初の展示室(ロダンの彫刻がある部屋/19世紀ギャラリー)から螺旋状に展示室が続くのでした。迷子になりそうな旋回感や無限に展示室があるような錯覚は「これが理由か」と思いました。19世紀ギャラリーの天井の三角形、トップライトからの昼光の美しいこと。スロープを移動しながら位置を変えて、何度も確認しました。 ◆コルビュジエは設計図を提出したあと8日間来日したのみで、実際の指揮は、弟子の坂倉準三・前川國男・吉阪隆正ら3人が執り、彼の意思を見事に継ぎました。 ◆【モデュロール】吉阪隆正はアテネフランセの設計者ですが、コルビュジエの大切にした単位モデュロール(183㎝の西洋人男性の身長。その男性が手を伸ばした高さ226㎝が天井高)にこだわり、それを基準として天井や正面玄関のファサードの石のパネルや前庭の床のピースのサイズを決めました。よくよく見ると納得します。(坂倉準三は神奈川県立近代美術館や新宿駅西口広場の設計者です。) ◆【東京文化会館への連続性と呼応】これは屋上に上がってみて初めて気づきました。西洋美術館の向かい側に東京文化会館を設計することになった前川國男。彼は師コルビュジエへのオマージュで西洋美術館にあるトップライトの三角錘を文化会館にも呼応するように作り、軒高をそろえ、正面玄関との関係性を意識しました。改めてみると二つの建物を結ぶ床や地面にはっきりと連続性があります。 ◆【ドミノシステム】柱で床や天井を支える構造。西洋美術館は7×7=49本の主要な円柱で支えられています。円柱はコンクリート製ですが、ヒメコマツという木の樽の中で作られているので、良く見ると表面に木目がありました。 ◆現在の西洋美術館は「免震レトロフィット」と呼ばれる手法で、オリジナルの外観を生かしながら基礎に免震装置を取り付けることで、免震建物へと改修されています。
by manpukuganpuku
| 2015-06-16 07:06
| architect
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